タイの水道水-家庭用フィルターのメリット・デメリット
で述べたように、タイの水道水は飲まない方が良い。
水質を改善する為、LAZADAでもたくさんの種類の家庭用水道水フィルターが売られている。
4段構成~、1,500バーツ~が一般的。
基本的な構成に使用されるフィルター
- PPフィルター :前段での微粒子除去
- RESINフィルター : イオン交換、余分なカルシウムを除去し硬度を下げる
- CARBONフィルター:塩素・臭い除去、種類は様々
CTO 塩素除去を行い味と臭いを改善
GAC 粒状カーボン CTOより性能が劣る
POST 最終段臭い除去、純水に適度なミネラル分を添加
- HFMフィルター :中空糸膜(UF)での不純物除去
値段に応じて追加される機能
- RO処理 :逆浸透膜を使用した不純物除去
- UV処理 :紫外線による殺菌
これからフィルター構成を下記3種類に分け、メリット・デメリットを考える
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基本構成
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基本構成+逆浸透膜(RO)
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基本構成+UV
1. 基本構成
メリット
安価、電源が必要ない、水圧が確保できるところであればどこでも設置可能、フィルター交換が容易
デメリット
フィルターで菌を不活性化する事は基本的に不可能であるため、フィルター内で菌が増殖する
【検証】
検査地 :タイ農村部(メーホンソン県、メーサリアン市)の一般住宅水道水。
水道水 :水源は河川。自治体が管理している浄水施設から配水された水道水。
水質 :大腸菌、一般細菌含む。雨季には濁りが発生する。
検査対象 :5段構成(PP+CTO+RESIN+HFM+POST)のフィルターセット
PP(推奨交換3-6ヵ月)、CTO(推奨交換7-8カ月)、
RESIN(推奨交換7-8カ月)、HFM(推奨交換12ヵ月)、
POST(推奨交換12ヵ月)
検査方法 :検査対象フィルターセットを3ヵ月使用後、透過水を簡易検査。
判断基準 :一般細菌(TC) 100 以下 / 大腸菌(EC) 検出されない事
検査結果 :一般細菌(TC) 290 以上検出 / 大腸菌(EC) 1 検出
飲料用としては適さない
2. 基本構成+逆浸透膜(RO)
メリット
圧力を掛け水分子しか通さない膜に水を通し不純物を取り除く為、不純物・菌・ウイルス除去に効果的。
デメリット
70%ほどの捨て水が発生。ミネラルなどの体に必要な物質も全て捨て水と共に失う。
飲料用として使用する場合は最終段でミネラル分の添加が必要。本体が大きい。電気が必要。
3. 基本構成+UV
メリット
大腸菌、黄色ブドウ球菌などの殺菌、さらに強い塩素耐性を持つクリプトスポリジウム(大きさ5μm程)の不活性化が可能。最も殺菌効果があるのはUV-C(波長100~280nm)のうち253.7nm波長。
デメリット
UV殺菌灯をガラス管に挿入し使用するが、次第にガラス管に汚れが付着し殺菌性能が低下する。どの種類のUV殺菌灯を使用しているか明記しているものが少ない。本体が大きい。電気が必要。
電気を使用せず、菌やウイルスを不活性化するフィルター① に続く。